覚書 書き方と私

ある事柄で、覚書を作成しなくてはならない事件が有り、覚書の見本なるものをまず探す事から始まった。
身近なところで使う契約書の覚書文章の書き方が身近にあったが、あまりに書式や例がおおくて正直困惑した。

そこで、自分なりに覚書という事柄について模索してみる事にした。
みなさんの参考になるかどうかは分からないが、1項目でもお役に立てればと思う。

しかし、覚書文書の見本というのが、それぞれの分野に散らばっていて、的確なサンプルがまとまらない状態だ。この覚書に関して、契約・ビジネス・念書・離婚・貸与などが目に付いた。法的にも「覚書」は多く使われる言葉だが、個人的にも日常生活において書き留めておきたい事が有れば「覚書」になる。

今更ながら「覚書」の分野の広さに感心している。

契約書と覚書

現代は訴訟社会といわれています。その訴訟社会の中で必然的に高まる契約書の重要性は避けて通る事は出来ないだろう。

企業活動ではさまざまな取引が行われますが、取引に際しては契約がなされます。例えば商品の売買においては、当事者間で品物を取引する際の基本的な約束事を取り決めます。

このとき、原則的には口頭でも契約は有効に成立します。しかし、後々トラブルにならないように、当事者間の合意内容をきちんと「契約書」という文書で残しておくことが重要です。

特に最近は、訴訟なども増えており、その重要性が高まっています。当事者間で争いが生じた場合、契約書が証拠になり契約書に従って判断されます。

これよりあとの記事で契約書と覚書などの関係は次第に理解いただけると思いますが、一般的には契約に付随した約束事に多く使われているようです。

たとえば、覚書として「甲と乙とは平成○年○月○日付○○契約書第○条の履行の方法について次のとおり合意した」として、履行の具体的手続きを取り交わしたりするということですね。

「覚書」「念書」も契約書に含まれる

契約に際して「覚書」「念書」といった言葉をよく耳にしますが、その有効性は通常の契約書と何ら変わりません。契約書ほど堅苦しい感じがしないからといって、簡単に考えてはダメです。

「覚書」及び「念書」は契約書と同様当事者の特定、記載内容の特定、署名捺印などが必要です。

関連語句

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覚書とは

通常、契約書を補足する目的で作成される合意文書を指します。
例えば次のようなケースで作成されます。

正式契約の前の合意事項について確認する。

契約の重要でない部分(例えば賃借料の金額など)の一部を変更する。

細則を制定する。

既存の契約書の解釈上の疑問点に着いて明確化する。 

覚書の補足説明

契約書を作るほどではないが、お互いの約束事を確認するために作成しておく略式の文書一般を覚書ともいいます。

覚書には契約と同じように二人以上の当事者が調印することになります。内容は契約と同じように法律効果を発生させようという合意の場合もあれば、契約書には記載されなかった事項について、追加したり、具体的に詳細な事項についての約束事を内容とする場合もあります。

契約の実質をもつ場合は略式の契約といえるでしょう。現実に覚書という場合は、一般的には契約に付随した約束事に多く使われています。

たとえば、覚書として、「甲と乙とは平成○年○月○日付○○契約書第○条の履行の方法について次のとおり合意した」として、履行の具体的手続きを決めることがあります。

覚書の書き方 ポイント

1.前文
 「目的」や「当事者」など契約の概要。

2.表題
 書き方に決まりはない。
 契約内容が分かるよう、「xxx契約書」「念書」「覚書」などと分かりやすくまとめる。

3.当事者の表示
 当事者は、個人の場合は「住所」と「氏名」、法人は「本店所在地の住所」と「法人名」。

4.目的
 契約の趣旨や目的、内容

5.作成年月日
 契約が成立した日を証明する大切な箇所になる。
 契約の有効期限を確定するなどのためにも重要。

6.署名押印
 印鑑は通常は何でもかまわないが、重要な契約においては実印を使用した方がいい。
 その際は勿論の事だが、印鑑証明は取っておく事。

7.目録
 契約の対象物を書き、別紙として目録を作っても良い。

8.収入印紙の貼付
 収入印紙の貼付により契約書は有効になる。
 契約書を複数作成する場合はそれぞれに印紙を貼り、印紙には契約書に使用した印鑑で消印をする。

9.後文
 契約が成立した旨や何通作成したかなどを書く。

覚書などに記載する重要項目

1.契約期間、履行期限

2.契約期間途中の解約(解除)

3.期限の利益(喪失)

4.損害賠償の限度額

5.危険負担

6.瑕疵担保責任特約

7.担保提供や連帯保証人

8.支払条件

9.裁判所の合意管轄

10.不可抗力免責特約

11.秘密保持

12.検査(検収)期間

13.所有権留保特約は付ける

覚書の文例

契約書の条件を変更した場合の覚書

   平成・・年・・月・・日締結の・・・・・契約書に付随する覚書

・・・・・・(以下、甲と呼ぶ。)と・・・・・・・・(以下乙と呼ぶ。)は、平成・・年・・月・・日締結の・・・・・・・契約書の第・・条について、双方同意の上、下記の件についてのみ例外を認めることとし、覚書を作成する。

                        記

(合意した事項を記載する。)


以上

平成・・年・・月・・日


               甲 住所、氏名 印

               乙 住所、氏名 印

契約締結交渉の過程で決定したことを控えておく

     
・・・・・・に関する契約についての覚書

・・・・・・(以下、甲と呼ぶ。)と・・・・・・・・(以下乙と呼ぶ。)は、本日、・・・・・・・に関する契約交渉過程で以下の事項について、決定したので、ここに覚書を作成する。


                        記

(合意した事項を記載する。)


以上

平成・・年・・月・・日


               甲 住所、氏名 印

               乙 住所、氏名 印

具体的な覚書記載例

事業用借地権設定契約に関する覚書記載例

         覚  書
 借地権設定者○○○○(以下「甲」という)と借地権者△△△△有限会社(以下「乙」という)とは借地借家法(以下「法」という)第24条に定める事業用借地権の設定に関し,次のとおり覚書を締結する。
第1条(目的)


 甲は別紙記載1の土地を賃貸し,乙はこれを借り受ける。
 上記記載の土地の賃借権(以下「本件借地権」という)は,契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む)及び建物の築造による存続期間の延長がなく,法第13条の規定による建物の買取請求をすることができないものとする。
 本件借地権については,法第3条ないし第8条並びに民法第619条の適用はないものとする。
第2条(存続期間)


 本件借地権の存続期間は事業用借地権設定契約をした日から10年間とする。
第3条(用途等)

 乙は,本件土地を専ら○○○販売事業の用に供する建物を所有するため使用するものとし,居住の用に供する建物を建築してはならない。
 乙が本件土地上に建築する建物は別紙目録2記載の建物とする。
第4条(賃料)

 賃料は月額金○○万円とし,乙は甲に対し毎月末日限りその翌月分を甲の指定する金融機関の預金口座に振込んで支払う。振込料は乙の負担とする。
 前項の賃料には第6条に規定する駐車場使用料を含むものとする。
第5条(賃料の改定)

 賃料は3年毎に,社会情勢・経済情勢などを勘案しながら改定するものとする。
 前項の改定時期及び改定割合によることが著しく不公平となったときは,甲乙は別途協議する。
第6条(駐車場)

 乙は本件土地のうち建物の敷地を除く空地部分について,駐車場として使用することができる。
 前項の駐車場としての施設の整備並びに維持と管理は乙の費用と責任において行うものとする。
第7条(保証金)

 乙は甲に対し,保証金として金○○○万円を預託する。
 この保証金は無利息とする。
 この保証金は,本件借地契約が終了したときに,乙の本件借地契約にかかわる債務を控除した残額を,甲は乙に返還する。
第8条(賃借権の譲渡・転貸禁止)

 乙は本件借地権を他に譲渡・転貸してはならない。
第9条(増改築の制限)

 乙は,本件土地上の建物を増改築し,又は新たに建物を築造(以下再築という)しようとするときは,あらかじめ甲の書面による承諾を得なければならない。
第10条(契約の解除等)

 乙に次の各号の1に該当する事由があったときは,甲は何ら催告なくして本件借地契約を解除することができる。
  第4条の賃料の支払を3か月以上怠ったとき。
  第3条に定める使用目的に違反し,または土地の用法に違反したとき。
  第8条に違反し,賃借権の無断譲渡・転貸をしたとき。
  第9条に違反し,建物の無断増改築・再築をしたとき。
  その他この契約に違反し,催告したにもかかわらず是正しないとき。
第11条(公正証書による契約)

 甲及び乙は,平成○年○月○日を目途に,公証人役場において公正証書により,この覚書に基づく事業用借地権の設定契約をする。
第12条(登記)

 甲及び乙は,前条の契約が締結された後速やかに,事業用借地権の登記をするものとする。
第13条(契約の費用等)

 この覚書及び公正証書契約締結費用,並びに登記の費用は甲乙折半で負担する。
第14条(その他)

 本件借地権の設定に関し,この覚書に定めのない事項及び疑義のある事項は,甲乙協議して定める。
第15条(附則)

 本覚書は,乙が建物を建築する申込をするに当たり,本件事業用借地権を設定するものである。

 この契約の成立を証するため本書2通を作成し,甲乙各1通を保有する。


目  録
      1.土 地
           所在地
           地 積
           地 目           
      2.建物
           木造○階建て 延べ    u


平成○年○月○日

  貸主(甲)

  借主(乙)

  仲介人  

覚書 超簡単な雛形(サンプル)例

ごく日常生活の中での覚書の簡単雛形として紹介しておこう。
ここでは金銭借用の覚書のサンプルとしてみて頂きたい。


1、標題を明記。

  「金銭借用覚書(借用書)」


2、宛名を明記。

   「金貸 銭平 殿」


3、内容の明記。

  私は貴殿に金20万円、確かに借用しました。
  金銭使用目的は、実母入院費用支払いで相違ありません。
  ギャンブルやその他のレクリエーションの資金使途ではあり
  ません。


4、支払期限。

  支払期限は、夏のボーナスの支給日の本年7月30日と
  致します。


5、その他の約定。

  遅延の場合には、法定の最低利息の年5分とする。



6、以上相違ないことを証明し、署名押印し、覚え書を
  発行する。


7、当事者目録。

  借り手、山田 太郎      印

    東京都神田区○○町7-25-631 

念書とは(追記)

一般的には、一方の当事者が相手方に対して差し入れる約束を記した文書のことを言います。双方署名・捺印形式で作成される場合もあります。なお次のような場合に差し入れることが多いようです。

借り主が貸し主に返済時期を遅らせてもらう。
建物の賃料を滞納し契約解除された借り主が、建物内の所有物品を貸し主が処分してもかまわない旨を約束する。 

覚書はこんな分野にも

地質調査所は海外機関と研究協力を行うに当たって以下の覚書を取り決めています。

地質調査所が締結している覚書
(Memorandum of Understanding)

(2000 年2 月現在)

● 米国地質調査所 (U.S. Geological Survey)

1985 年に覚書を締結し(期間 3 年間)、以降更新を続けている。
2000 年に更新予定。

● 国土資源部地質調査局(旧:中国地質鉱産部)
1985 年に中国地質鉱産部との間で覚書を締結した(以後 3 年毎に自動延長)。
2000 年に中国側の行政改革による新しい組織の中国国土資源部地質調査局と締結合意。

● ニュージーランド地質・核科学研究所
  (Institute of Geological & Nuclear Sciences)
  (旧:Department of Scientific & Industrial Research)
1990 年に DSIR との間で覚書を締結(期間 3 年間)。
1993 年に NZ の行政改革による新しい組織 IGNS との間で覚書を締結(期間 3 年間)。
以降更新を繰返し、2000 年にまた更新手続きを行っている。

● カナダ地質調査所 (Geological Survey of Canada)
1993 年に覚書を締結(期間 5 年間)。
1999 年に更新。

● 韓国資源研究所
   (Korea Institute of Geology, Mining & Materials)
1996 年に覚書を締結(期間 5 年間)。
2001 年に更新の予定。

● デンマーク・グリーンランド地質調査所 (GEUS)
1996 年に覚書を締結(期間 5 年間)。
2001 年に更新予定。

● ロシア極東地質研究所
1998 年に覚書を締結(期間 5 年間)。

● モンゴル地質調査所
1999 年に覚書を締結(期間 5 年間)。

● ロシア鉱床地質研究所(IGEM)
1999 年に覚書を締結(期間 5 年間)。